第5回 歯科医学歴史散歩
~築地界隈~
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10:00 築地本願寺 に集合。

今日は親鸞聖人関東伝道800年のお祝いをしていました。

親鸞は法然に師事し,弟子たちによって浄土真宗が開かれました。

築地川公園に来ました。この辺一帯は築地居留地だったところ だそうです。

1858年,江戸幕府が欧米5カ国と修好通商条約を結んだとき,横浜・神戸・ 函館・長崎・新潟の五港の開港と江戸・大阪の開市を取り決めました。

築地居留地は1868(明治元)年に開設されました。

道路を挟んで聖路加国際大学 があります。
この大学の敷地には,芥川龍之介生誕の地と浅野内匠頭邸跡がありました。
築地居留地には,立教大学をはじめとするミッション系スクールや学校 が開設され,それらの学校にとっては,ここが発祥の地となっているようです。
  • 立教大学
  • 慶応義塾
  • 明治学院大学
  • 女子学院
  • 双葉学園
  • 暁星学園
  • 関東学院大学
  • 女子聖学院
  • 工学院大学
  • 聖路加国際大学
など。

少し東に歩くと『日本近代文化事始の地』 がありました。

慶応義塾を開いた福澤諭吉と解体新書を著した前野良沢はともに 中津藩出身であり,この地を日本近代文化の地とすることに問題は ないでしょう。

こちらは慶応義塾発祥の地碑です。 本が開いた形の碑です。台座には下のように,ここが発祥の地である ことが書かれています。

こちらは,解体新書の記念碑です。少し時代を追って みようと思います。

南蛮人(ポルトガル,スペイン)とは1543年の鉄砲伝来以来,1633年の 鎖国令まで付き合いがあった。彼らカトリックは,貿易とともに伝道を セットにしていた。豊臣秀吉などは,南米の国々がいかなるめにあって いるのかを知って,宗教弾圧にのりだしたようだ。

紅毛人(オランダ,イギリス)との接触は,1600年デ・リーフデ号が 豊後に漂着したのが 始まりだという。その中にウィリアム・アダムスという人がいて,徳川家康に 信用されたらしい。神奈川県三浦市に領地をもらったため,後に三浦按針 という名前となった。

鎖国令以後は,長崎県の出島にのみ穴をあけてオランダからの知識を 細々仕入れるのみとなった。

ところが1720年,将軍吉宗が洋書輸入を解禁し,蘭学が盛んになる 道をひらいた。

1754年,山脇東洋(1705~1762)は,京都にて刑死人の解剖を行い, その結果を1759年に『蔵志』として出版する。この解剖の前に山脇は, 獺(かわうそ)の内臓が人間の内臓に似ているという噂を聞き, 何匹かの獺を解剖したらしい。

次に田沼意次の時代になるとさらに幕府のしめつけが弱まり, 1771年3月4日江戸小塚原の刑場で腑分けが行われる。小塚原は 第2回歯科医学歴史散歩で訪れました。

このとき,杉田玄白(1733~1817),前野良沢(1723~1803)らが見学をする。 このとき二人ともオランダ解剖学の本『ターへル・アナトミア』を持って刑場 に現れたらしい。

その後,桂川甫周を入れて3人でこの本の翻訳をし,1774年,『解体新書』 として出版された。

また少し歩いてあかつき公園に来ました。 ここにシーボルトの胸像があります。

『解体新書』からさらに時代が下って,シーボルトの来日 が1823年。

Phillip Franz von Siebold(1796~1866)は,本当はドイツ人で, ヴュルツブルグ大学医学部をでた。つてをたよってオランダ人になり すまし,日本に来た。初め出島の蘭館で医学を教え,後に長崎郊外に 『鳴滝』に学舎を興して教えた。

長崎には シーボルト記念館があり,オランダのライデンには シーボルトハウスがある。

1828年,シーボルトがスパイなのではないかと疑われた,いわゆる シーボルト事件によって,翌年日本を去る。

その後,幕府が公式に外国から招いた最初の西洋医として Pompe van Meerdervoort(1829~1908)が1857年に来日する。

翌年の1858年には『慶応義塾』と『種痘所』が開設される。 『種痘所』は, 第4回歯科医学歴史散歩に訪ねました。 さらに翌1859年にはシーボルトが再来日する。

1861年には『種痘所』が『西洋医学所』と改称し,日本化された オランダ医学を日本人が教える場所となった。ここの最初の頭取は 緒方洪庵,後にはポンペの弟子の松本良順がなった。

1862年にポンペがオランダに帰ると,後任として Anthonius Franciscus Bauduin(1822~1885)が来日する。 ボードウィンについては 第3回歯科医学歴史散歩に書かれています。

今回は学生2名,教員5名の参加でした。 銀座ライオンでビールを飲んで解散となりました。

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